本音×本心×真実
岡村隆史の炎上問題から考えたことがある。
深夜ラジオというものはそもそも著名人がでるメディアの中でも底辺の部類、
深夜ということもあり”本音”が出やすい。なぜなら、当然不特定多数の人々に評価されなければいけない職業の芸能人及びそれを元にお金を稼いでいる著名人達が行うメディアではあるが、その中でも深夜しかもラジオという媒体の特性から恐らく発言者はリスナーを不特定多数の人々とは考えず、コアなファン＝何を発言しても許してくれる人々として捉えているだろう。ただ、昨今であればそのコアなファンに対して発信したことでさえ、不特定多数の人々にまで情報を波及させる術が多くある。
つまり今何が起こっているかというと、著名人達は自分を取り繕ってしか生き残ることが出来ない社会になっており、スタートから全てをさらけ出して著名人にまで上り詰めた人にしか自由に発言する権利はなくなったのだ。(例えば加藤沙里など)
金を多く稼ぎたい人々は、当然多くの人々から指示される必要がある。そしてこの多くの人々というのはもはや思考がある人間という体はとっていない。今回のコロナウイルスでも分かるように大衆のマインドというのは個人個人の中で作られるものではない。多数決でとられた正解であろう事象(それが正しいかは関係なく)が大衆の思考として一般化され、それが世の中の正解となる。本当の”真実”に関してはさて置かれるのだ。
よって著名人の”本心”というものはもはや発言する場が限られるし、それをするのであれば大衆からお金をとるスタイルの生き方はできない。エゴを通すと味方は少なくなる。(しかしそれを逆手にとって自分だけの国、例えば西野やホリエモン、youtuberのように自分の支持者だけの国、みたいなものを作れば別だが) つまり、世の常というのは大衆が正しいとされうることによって判断され、”真実”という概念は忘れさられるのだ。
さて、本件に戻って岡村の発言だが、これは”真実”かどうかで言えば火をみるより明らかに正だろう。考えてみよう、全くコロナがなかった時よりアフターコロナの方が金に困る人が増えるのは正。そしてその中で本当にお金が困った時の選択として当然風俗業という選択肢は存在している。ならそこに流れることは明らかだろう。じゃあこれが競馬のように風俗業界で働く女性が増えると思う人、増えないと思う人というものにオッズを賭けられる世界になったとしよう。増えるの方のオッズは1.1倍だよ。
岡村にとっては”真実”である事象を発言した、それは例えばガリレオが地球は回っているという言った時の心境と同じく、彼の中にある真実を公に発言したということである。
ただ、岡村はこういった”真実”のみを発言することによって得てきた支持者たちを支えに金儲けをしてきた人ではない、ゴールデンで冠番組を持つように、いわば大衆からお金をもらってきた公人である。”真実”かどうかを判断軸に持っていない大衆を相手にお金を稼ぐのであれば、”本心”を語ることは禁止されているのである。
さあ、もう少し考えると、今回の発言で傷ついた人ってだれなの？女性の中のどういった人々？大きく2分すると
①岡村を支持してきた女性で風俗業のことをマイナスで捉えている人
②このニュースをまた聞きした女性の中で、女性がお金を多く稼ぐ手段は風俗だけではないと考えた人。そしてその風俗業をマイナスとして捉えている人。
まず①の人に関して、もちろん今までの岡村をそういう人とは考えていなかったのだから怒りを覚えてもいた仕方ないだろう。ただし、風俗業で従事している人を例えば普通の会社員と同じ感覚でリスペクトしていた場合怒りを覚えるだろうか？そういった意味では①の人々も差別主義者であり、自分の胸に手をあてて考え直す部分があるだろう。
次に②の人に関しては世の中インセンティブを貰える職種の人ばかりではない。インセンティブの仕事以外の人も世の中にはいるという発想が欠如している。そしてインセンティブがない職種の人にとっての、副業もしくはお金を稼ぐ手段として風俗業があり、それに対してマイナスなイメージがあることは差別主義的な発想だ。
要するに現状大衆の正解として風俗業＝マイナスというイメージが正になっている為にこのような炎上が生まれたということも言えると思う。それは大きな風俗業界への差別であり、彼(ホストとか)彼女達(キャバ嬢とか)に対するリスペクトが足りていない。彼・彼女達はサービス業のプロであり、自分という商品を武器にお金を稼ぐ、商売モデルとしては芸能人と何ら変わりがない。
差別主義者の頭にないものは、一回相手の立場、立ち位置に自分を置いてみるということであり、多角的にものを見れていないということが大きな原因だと思う。
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